
- 石灰肥料は有機物の分解促進に必要な資材で、有機栽培に欠かせません。石灰肥料は主に酸性矯正に使用されますが、石灰は、野菜ではリン、窒素に次いで吸収量の多い要素で、作物の生育、収量に大きく影響する大切な要素です。生育を良好とするには土壌のpHだけでなく、土壌中の石灰含量に注意し、塩基バランスを良好に保つ必要がありますので、目的別に種類を選択してください。

石灰・苦土の三つの働き
欠かせぬ栄養素のひとつとして…植物のからだをつくる
人間のからだと同じです。
酸性にかたむきすぎた土をほどよく直す
酸性の化学肥料を多く使用すると、土は強い酸性になりがちですので、この役割は今日いよいよ重要となっています。
植物の生理をコントロールする
植物体内で強くなりすぎた酸を中和してやわらげます。
植物を形作る細胞の膜を固くして、病気や天候の異変に対する抵抗力を強めます。
根の伸びを早めます。
作物の味をよくします。(おいしいお米には、マグネシウムが豊富に含まれていることがわかっています。)
使用方法・適用作物
石灰系肥料は、土壌改良資材としての位置づけです。播種・苗の移植の10日前までに酸性土壌にご使用下さい。施肥後、一雨後に播種・苗の移植をお勧めします。適用作物は、葉菜・根菜・果菜です。各肥料袋に使用量を目安として記載してありますので、参考にしてください。なお、生石灰は雨水と反応して発熱しますので、袋に記載の注意点を守りご使用下さい。
成分保証
肥料の3大要素であるN(窒素)・P(リン酸)・K(カリ)に次ぐCa(カルシウム)やMg(マグネシウム)を保証します。
苦土石灰・・・アルカリ分55.0%、可溶性苦土で16.0%
消石灰 ・・・アルカリ分65.0~72.0%
苦土消石灰・・アルカリ分73.0%、く溶性苦土20.0%
生石灰 ・・・アルカリ分90.0%
石灰肥料の生産工程
石灰肥料の主な品目
-
- 顆粒消石灰
- 土壌中の有機物の分解を促進させる。窒素の無機化を盛んにし、地力の増進に役立つ。春・秋の基肥として耕起前に散布し、土とよく混ぜて使用。防塵の効果あり。
- 水稲:80~120kg(10aあたり)
畑作・果樹:100~120kg(10aあたり)
開拓地・老朽地:120~200kg(10aあたり)

-
- 肥料用消石灰
- 土壌中の有機物の分解を促進させる。窒素の無機化を盛んにし、地力の増進に役立つ。春・秋の基肥として耕期前に散布し、土とよく混ぜて使用。
- 水稲:80~120kg(10aあたり)
稲作・果樹:100~120kg(10aあたり)
開拓地・老朽地:120~200kg(10aあたり)

-
- 苦土消石灰
- リン酸・ケイ酸の移動と吸収を良くする。作物の収量・糖度を高める。土壌中の有機物の分解を促進させる。窒素の無機化を盛んにし、地力の増進に役立つ。
- 麦・大豆・タバコ等:100~120kg(10aあたり)
果樹類:80~100kg(10aあたり)
葉菜・根菜・果菜:100~140kg(10aあたり)
開拓地・老朽地:120~200kg(10aあたり)

-
- 苦土炭酸石灰(粉・粒状)
- 酸性土壌改良。リン酸の移動を良くする。黄化の防止に役立つ。粒状品は防塵の効果あり。
- 通常:100~120kg(10aあたり)
果樹及びお茶:200kg(10aあたり)

-
- 粒状生石灰
- 土壌中の有機物の分解を早期に促進させる。窒素の無機化を盛んにし、地力の増進に役立つ。春・秋の基肥として耕起前に散布し、土とよく混ぜて使用。
- 水稲:80~120kg(10aあたり)
畑作・果樹:100~120kg(10aあたり)
開拓地・老朽地:120~200kg(10aあたり)

ご注意事項
消石灰はライン用としてご使用にならないで下さい。
石灰系製品その他
製品についてのお問い合わせ